百冊002:巨象も踊る

巨象も踊る
ルイス・V・ガースナー, 山岡 洋一, 高遠 裕子

発売日 2002/12/02
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私のお薦め度 ★★★★★ ★★★(8)

経営に関する本なので、あまり面白さを期待しない方が良い。しかし、これは非常に率直に書かれたもので、プログラマーでも一度は目を通しておいた方がいい。コンピュータ業界というものを、今までにない観点から眺めた本だからだ。

業界の外の人間が、コンピューターユーザーとして考えてきたことを内部に入って実現した、という文脈が見える。技術志向からビジネス志向へ方向転換したと言えば当たり前のことだが、あの当時のIBMの状況を考えると、大変だったと思う。

非常に複雑な状況をシンプルにまとめ、新しいビジネスの方向を明快に打ち出した手腕はやはりすごい。大きな会社を動かすためには、目標を絞り、全社員のベクトルを合わせていく力が必要だが、それをうまく実現できたように思う。

他社製品の使用とか、Java、Linuxの採用などが技術者の意見ではなく、ビジネスをするために世の中の方向に合わせるためからでているところも面白い。

私は、ガースナーという人に親しみを感じる。コンピューター業界の人間評がでてくるが、これが非常に的を射ていて面白い。

2003年10月21日 | Posted in 電脳:百冊 | タグ: No Comments » 

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