脳>恐怖症
金曜日の夜、終電の地下鉄電車内で、突然恐怖症に陥った。私の恐怖症とは、ラッシュアワー恐怖症、あるいは狭所恐怖症、拘束恐怖症というような名前をつければいいのかもしれない。とにかく、電車内で身動きが取れない状態になると、パニック状態となるのだ。池袋で終電にどっと人が乗り込んでくるのに気がつかず、発車する前に外に出ることもできず、その場にしゃがみこんでしまった。周りの人たちも変だと思っただろう。こちらは、必死に精神状態を安定させようと目をつぶって2,3分我慢すればいいと、自分に言い聞かせた。隣の要町に着いたところで、何とか降りることができ、最悪の事態は逃れた。
要町からタクシーに乗って、何とか家にたどり着くことはできたが、3000円も余計なお金を払うことになった。しかし、パニック状態を思えば安いものである。
この症状は、電車のラッシュ時だけでなく、MRIにかかる時、ジェットコースターに乗っている時にも表れる。この病気にかかった原因ははっきりしている。10年ほど前に虫垂炎の手術をした際、部分麻酔だったせいだ。手術はあっという間に終わり、そのまま眠っていた。そのまま眠っていれば何もなかったのだが、夜中に目が覚めてしまったところからが問題だ。下半身の感触がないまま、午前2時過ぎから午前9時ころまで意識がある状態というのは、地獄の苦しみに近い。今考えると、看護婦を呼んで、再度眠らせてくれるよう言えば良かっただけなのだ。おそらく、下半身麻酔の場合、麻酔が切れるまで目が覚めないようにするのは通常の処理だと思う。とにかく、この経験から拘束状態での恐怖症が始まったことは間違いない。
日常生活上ほとんど困ることはない。ラッシュアワーというのは意識して避けることが可能なので。とはいっても、今回のように不測の事態が起こる場合もある。しかし、この恐怖症が顕在化してから、考えれば考えるほど、あのラッシュアワーというのは耐え難い異常事態なのに、あれに耐えられる人間というのは、相当鈍感なのではないかと思うようになった。みなさん、あまり考えないようにしてください。もし、ラッシュアワー時に突然事故が発生して、車内から出られない状態で24時間我慢しなければならないと想像したら、あなたもきっとラッシュアワー恐怖症になるでしょう。考えるのはやめましょう。
コメントを残す