無印良品のiPhoneアプリ(カレンダーとノートブック)
2011年8月31日に開かれたブロガー向けイベントで、株式会社良品計画の本社に行った。
無印良品のiPhoneアプリケーション「MUJI NOTEBOOK」「MUJI CALENDAR」の紹介を、開発者自らするということで、とても興味をもってでかけた。
そもそも無印良品が好きで、いろいろ購入してきた。光が丘、有楽町の店もちょくちょく利用しており、株式会社良品計画にとても興味があった。本社にお邪魔できるイベントと聞き、期待して東池袋へ。
本社は、サンシャインのすぐ向かいで、東池袋の駅から歩いて3分ほどのところ。本社8Fの会議室に20人ほどのブロガーが集まった。
無印良品がなぜアプリケーションを
無印良品といえば、衣食住が中心の商品開発と思っていたが、文房具も定番商品だ。イベントでは、3人の方がプレゼンをしてくれました。
①無印良品の歴史
②MUJI CALENDARの開発
③MUJI NOTEBOOKの開発
無印良品らしいiPhoneアプリは何かとアイディアを出している中で、文房具にフォーカスしていったようだ。
MUJI CALENDAR
印象的だったのは、MUJI CALENDARの開発者深津さん(FxCameraで有名な方)の話。無印良品らしいシンプルな操作性を追求することに注力したという。確かにMUJI CALENDARのすべてが縦スクロールというカレンダーは、何も説明がいらないほど自然な操作性を実現している。月、日、リストのすべてが縦にスクロールする。操作していて、これが普通だよと誰もが思う。ところが、この普通がなかなかできないのだ。実際、iPhoneにはじめから組み込まれているカレンダーを見ればわかる。月や日の表示は、上部の右矢印、左矢印をタップすることでめくることができる。しかもこのカレンダーのおかしいところは、右矢印、左矢印のくせに、縦にスクロールして表示される。一回MUJI CALENDARを使ってから、この標準のカレンダーを使うと非常に気持が悪くなる。その位、ユーザーインタフェースというのは、重要なのである。特にiPhoneのようなタッチパネルで操作する場合、操作方向と画面の動きが一致していないものは、おかしいとしか思えなくなる。MUJI CALENDARをわずかな時間しか使っていないのに、標準のカレンダーの操作が気持ち悪くて、できなくなってしまった。
もう一言付け加えておくと、縦スクロールという思いつきだけでMUJI CALENDARができたわけではないこと。誰でもそういう操作性を思いつくが、問題は実装できるかどうかだ。そこが、優れた開発者かどうかの分かれ目だ。
MUJI NOTEBOOK
手書き系のソフトは私は使わないので、良し悪しを評価できない。開発者の方の話を聞いていると、紙に手書きでできることをできるだけ実現しようという意欲を感じた。ただし、手書きを実現しようとすると、どうしてもスタイラスを使う方向に行ってしまうが、iPadはまだしもiPhoneではどうだろうと思った。つまり、私がiPhoneを最初に持った時、一番驚いたのは指だけで操作できることだったのだ。昔のNewtonからはじまりNintendoDSまで、ペンが必需品だと思っていたところに、指で操作できることに絞った、そのiPhoneの思い切りの良さに感動したのだ。だからiPad版がスタイラスに走るのは理解できても、iPhoneでもっと違った方向に持って行くべきではないだろうか。つまり、iPadとiPhoneで同じ名前のアプリケーションである必要があるだろうかということだ。紙は大きさによって、まったく別のカテゴリーの商品になる。iPadの大きさならNOTEBOOKなのはわかるが、iPhoneくらいだとMEMOPADになるだろう。これは、既に用途が異なる。もちろんアプリとしてのデータの相互利用は必要だが、iPhoneでは指で書けること、そして記憶に留めるという用途に限定すべきではないか。そう、ノートとメモ帳が使い方が違うように…..
無印良品の次なるデジタル文房具は?
無印良品の文房具を見ると、フォトブック、電卓、メジャー、ファイルボックスなどアプリにできるものは、まだあるかもしれない。無印良品の製品開発スタイルは実際どういうものか知らないが、無印良品というコンセプトを理解しているプランナーと優秀なデザイナーの出会いによって生まれていると想像すると、良いアプリケーション開発者を発見することが重要だと思う。
私が実現してほしいのは、無印良品というスマートフォンだ。頭の中には、infobarがある。Androidでは、ホームアプリによって、起動時画面をデザインすることが可能だ。無印良品というホームアプリとそこに表示される無印良品の文房具アプリ。確かに無印良品だとわかるようなデザインとシンプルな操作性のアプリが並んでいる。ぜひそういうものを作ってほしい。MUJIphoneというのかな。カレンダー、メモ帳、電話帳、メール、Twitter、電話、ブラウザ、地図、これだけあれば十分ですから。
無印良品へ期待すること
無印良品は、私のブロガー名simplelifeに通ずるものがある。simplelifeつまり余計なものを排除し、本当に必要な良いものを選択する生活スタイル、これは無印良品が提供してきたものと同じだ。私が今までに無印良品から購入したのは、食料品、アイロン台、室内物干しなどだ。衣料品はUNIQLO、家具はIKEAなどを利用することが多い。どちらもコンセプトやデザインは無印良品と同じだが、価格は安い。
むやみに低価格化とか商品分野を絞った方がいいとは思わないが、無印良品も「選択と集中」の時期がいずれくるように思う。その時、無印良品の財産は、無印良品ファンというコミュニティだろう。良いユーザーや優れたデザイナーとのつながりを強化するために、ソーシャルメディアやWebなどの手段を活用して、強力な仕組みを構築してほしい。
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