百冊008:デルの革命―「ダイレクト」戦略で産業を変える
デルの革命―「ダイレクト」戦略で産業を変える マイケル デル キャサリン フレッドマン Michael Dell Catherine Fredman 国領 二郎 吉川 明希 日本経済新聞社 |
お薦め度 ★★★★★ ★★★(8)
百冊に取り上げるものかちょっと迷いましたが、前半が捨てがたいのでご紹介することにしました。
やはり、2004年通期で売り上げ4兆円の業績をあげる企業の成り立ちやその成長のプロセスを綴ったものですから、読む価値があります。ただし、前半の立ち上げのところは、他の企業と同様面白いのですが、デル氏が優等生すぎて、後半はちょっと面白みにはかけます。顧客重視やダイレクト販売は、ここまで徹底すればたいしたものです。最近IBMがPC事業から撤退しましたが(撤退ではなくブランドは残るのかもしれませんが)、最終的にPC業界は、他の業界と同じで3社くらいに集約されていくのでしょう。日本の場合は、NEC、富士通がシェアを占めていますが、デルも着実に伸びています。
この本で不思議だと思ったのは、技術者の姿がまったく見えないことです。80年代の前半にPC互換機を製造しているのですが、その技術者の顔が本からはみえてこないし、その後も他に負けずに新しい製品をスケジュールどおり出してくる。しかも、大きな設計ミスというものはない。もちろん、いろいろ試行錯誤しているとは思いますが、本だけでなく実際のイメージでも、ミスが少なく個人的には見えます。
デルがこれだけ優秀な技術者をどうやって集めたのか、よくわかりません。
この本で語られていることは、すごく真っ当です。で、逆にデル成功の秘密が隠されているような気がしてくるのは、私だけでしょうか。
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