EPGStationで作る地デジ6ch全録サーバー(Ubuntu 22.04)の評価
2022年10月5日全録の新しい情報です。
Ubuntu 22.04上で簡単に録画サーバーが作れるので、地デジ6ch全録サーバーを動かしてみました。
地デジ6chを同時に録画するので、チューナーカードは「PX-MLT8PE」を選択。
構築手順は、以下に従います。
運用結果
録画は安定しており、運用に問題はありませんでした。
以下の2つのモードで録画をしました。
- TSモード MPEG2-TSで録画
- mp4モード MPEG2-TSで録画後、mp4にトランスコードし、MPEG2-TSファイル削除
以下に、比較した結果を表にしました。
録画モード | 6ch1日の保存容量 | 6ch1日の保存番組数 | 1日の消費電力 | 月の電気料金 (1kwh=26.48円) | 評価 |
---|---|---|---|---|---|
TSモード | 1,036.8GB | 平均199番組 | 0.8kwh | 635.5円 | 電気代は安いが、保存容量が大きい。8TBで8日間保存可能。 |
mp4モード | 平均203GB | 平均199番組 | 2.2kwh | 1747.7円 | 電気代が高い。1/5に圧縮できるので、8TBで40日保存できる。 |
mp4モードは、1/5に圧縮できますが、CPUの稼働率が高く、夏場の運用に不安が残ります。また、電気代がかかるので、無駄が多いように感じます。
一方TSモードは、非常に安定しています。ただし、保存容量が大きく、8TBのHDDは最低必要かもしれません。
両者を比較すると、TSモードで8TB のHDDで8日間保存が、実用的と考えられます。実際、東芝REGZAのタイムシフトマシンとまったく同じ構成ですが、EPGStationでネット経由の視聴ができる、長期保存するものはmp4にトランスコードできる、などタイムシフトマシンより高機能になります。
ハードウェア
今回テスト用に構築したサーバーのハードウェアです。
No. | カテゴリ | 品名 | 個数 | メーカー | 税込価格 Amazon 2022年6月7日現在 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ケース | Thermaltake Versa H17 | 1 | Thermaltake | ¥2,882 |
2 | 電源 | KRPW-L5-400W/80+ | 1 | 玄人志向 | ¥4,788 |
3 | マザーボード | ASUS H410M-A | 1 | ASUS | ¥9,273 |
4 | CPU | i5-10400 | 1 | intel | 参考価格 ¥19.071 (2021年8月購入時) |
5 | メモリ | DDR4 PC4-21300 4GB | 2 | CFD | ¥4,960 |
6 | チューナーカード | PX-MLT8PE | 1 | PLEX | ¥26,264 |
7 | SSD(240GB) | CFD CSSD-S6O240CG3VP | 1 | CFD | 不明 参考価格 ¥5,480 |
8 | HDD(4TB) | ST4000DM004 | 2 | Seagate | ¥8,700 |
9 | カードリーダー | SCR3310/v2.0 | 1 | SCR | ¥2,180 |
10 | LED冷却ファン3個セット | 120ミリ静音ファン | 1セット | ELUTENG | ¥1,680 |
合計 | ¥85,278 |
mp4モードを実施するために、上記のハードウェアは必要です。
しかし、TSモードを実施するだけならば、CPUはPentiumやCerelonで十分だと思います。
ソフトウェア
EPGStationで地デジ6chの各局ごとにルールを作って録画するだけです。
TSモードは、問題なく全番組を録画できました。
しかし、mp4モードではmp4にトランスコードできないNHKの番組がありました。
しかも、mp4が作成されないにもかかわらず正常終了になったため、TSファイルが削除されてしまいました。
問題となったのは、音声がデュアルモノというNHK特有の設定です。左と右で違う音声になるモードです。
NHKやBS1で放送される二重音声のニュースで使われているモードです。また、現在再放送されている連続テレビ小説「ひまわり」もデュアルモノでした。デフォールトのJavaScriptでは、デュアルモノを認識していますが、処理ができない状態になっていました。そこで、追加でデュアルモノを処理するシェルスクリプトを追加しました。また、7倍速でトランスコードするため、crf値を22→24に変更しました。
ルールは、以下のように設定しました。
このルールの設定により、NHKの全録も可能となりました。
番組表は、以下のようになります。
稼働状態
TSモードは、ほとんどCPUは稼働していません。
一方、mp4モードでは、CPUは平均約60%稼働状態となります。
i5-10400は6コア12スレッドですが、かなり余裕があります。
i3-10100は4コア8スレッドで、これで十分かもしれません。
以下が、1日のCPU稼働状況。
次に、1週間のCPU稼働状況。
以下が、1日のCPU温度の変化。平均が69.2℃。
以下が、1週間のCPU温度の変化。
mp4モードでは、CPUに余裕はなく、真夏の温度に耐えられるかは疑問。
SSD温度、HDD温度は、以下の通りです。
SSDの平均温度は30℃ですが、古いSSDなのでモニタリングできていないかもしれません。
HDDの平均温度は、35.47℃。真夏でもほぼ安全な状態といえます。
まとめ
- EPGStationとPX-MLT8PEを使って、地デジ6ch全録サーバーは簡単に構築できました。
- mp4モードでは、1日200GB程度に圧縮して保存できます。
しかし、CPU稼働率は平均約60%で安定していますが、消費電力も大きく、月約1800円かかります。
一部の番組しか見ないことを考えると、無駄が多すぎると思います。 - TSモードでは、1日1TB程度で保存できます。
全体に無理がなく、年間通しての運用も問題なく、ランニングコストは月約700円弱です。
全録ですべてmp4にトランスコードするより、TSで保存する方が無駄がないと思います。
バックアップ的に、見逃し防止・録画トラブル防止として使用するのがおすすめです。
東芝REGZAのタイムシフトマシンより高機能ですので、REGZAの代替機として使えます。
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