百冊014:アップル・コンフィデンシャル2.5J
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また、アップル関連です。Macを使ったことがほとんどないのに、やはりアップルの歴史は面白いんですね。最初にiPodの話がきて、その後アップルの設立から今に至るまで、淡々として事実を積み重ねている、そういう本です。感情移入する部分はそれほどありませんが、読み物として飽きることはありません。
この本を読んでいて、アップルの失敗がいかに多いか、ある意味呆れるほどの数です。アップルⅢ、リサ、ニュートン、IBMとの協業の数々、マックポータブルなどなど、90年代に衰退した理由も良くわかります。それでも、成功するときは爆発的な成功を手にする。アップルⅡ、マッキントッシュ、iPodの3つしか成功していないのですが、その成功の度合いが多くの失敗をすべて補ってしまう。どこかゼロックスとも似ているような気がします。
アップルの良さは、ハード、ソフト、コンテンツなどトータルに提供する文化ではないかと思います。ある意味、日本の家電メーカー、特にソニーに通ずるところがあります。iPodとWalkmanの競争など非常に興味深い。コンピューターメーカーからデジタルオーディオか、それともオーディオ・ビデオメーカーからデジタルオーディオか、それぞれ違ったアプローチをして、アップルが勝った。何故だろう。どう考えてもソニーに一日の長があったはずなのだが。コンテンツを押さえている、ポータブル機器の製造に長けている、永年のオーディオ技術の蓄積、どう考えてもおかしい。
しかし、アップルの戦略は、さらに家電の世界に広がっていくだろう。ブランドがこれだけ復権した例はないと思う。このコンフィデンシャルは、さらに厚くなっていくのだろうか。
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