gooラボ ネットの未来プロジェクト NTT R&Dフォーラム2013 ブロガーミーティング報告1 WorkShop
2013年2月14日エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社さん主催のブロガーミーティングに参加してきました。
場所は、NTT武蔵野研究開発センタで、内容は「NTT R&D フォーラム 2013」の見学とワークショップです。
今までも2回このイベントに参加しているのですが、今回が一番楽しめたと思います。その理由は、ワークショプでの濱野智史さんとやまざきゆにこさん、お二人の力が大きかった。濱野さんは、「漏れ落ちた人々」から技術をを捉えるというユニークな視点を、ゆにこさんは「グラフィックファシリテーション」という優れた技術を、それぞれ披露していただきました。
イベントは、以下のように進みました。
- 「3D映像音響システムによる遠隔地との空間共有」のデモ見学
- 「NTT R&D フォーラム 2013」の自由見学
- 「gooラボ ネットの未来 ブロガーミーティング」ワークショップ
では、それぞれに関して、報告していきます。
「3D映像音響システムによる遠隔地との空間共有」のデモ見学
「NTT R&D フォーラム 2013」が開かれている本館から渡り廊下を2つ渡った先に、デモルームがありました。部屋は10畳程度の広さで、前面に等身大の倍くらいの高さと横5m程度のスクリーン、スクリーンの前は自由に動き回れる3m四方のスペース、後ろに5人2列の椅子が置かれていました。部屋は暗くしており、前面スクリーンには、通信する別の部屋が写っていました。
体験デモということで、一人ずつスクリーンの前に立ち、スクリーンに写っている別の部屋にいる女性と会話をします。私も実際に試してみましたが、前後左右に動きながら、スクリーンに映る女性も前後左右に動きますが、スクリーンの見え方、音の発生する場所の不自然さがなく、とても臨場感がありました。まだ、双方向ではできない、1対1しかできないなど制限がありました。しかし、体験してみて、この技術のニーズはあると思いました。
この技術の将来性を考えると、最初は会議室のビジネスシーンではなく、ダンスなどのパフォーマンスを遠隔地へライブ配信するなどが考えられると思いました。音のホログラムを創りだすという説明がありましたが、映像もホログラムで再生できると、もっと面白いものになると思います。
「NTT R&D フォーラム 2013」の自由見学
数回このフォーラムは見学していますが、地道な研究や大規模センターの運用技術などが多く、一般向けの展示はそれほど多くありません。それで、主にユーザーエクペリエンスを中心に、環境エネルギー、新分野開拓の展示を見ました。
実用的ですぐ使えそうだと思ったのは、「分電盤センサのみで家電機器個々の電力消費量を見える化」というたいへん地味な点でした。自分の家をスマートホームにしようといろいろ実験している最中なので、これはけっこう興味をもちました。
「ネットの未来」というのは、最近はあっと驚くような技術ではなく、個人が生活する上で必要な情報を見える化していくことを徹底的に行うことで達成されるという予感があります。未来を予測するとは、現実の徹底的な分析、変化の兆しを如何に早く察知するかにあると思うので、Amazonのようなショッピングサイトのデータ分析から得られる消費者行動は、未来予測に使えると思うのです。
だから、「分電盤による電気消費量の見える化」も蓄積し集積することによって、未来予測の重要なデータになると思います。echonetが一般化するまでは、この技術は橋渡しになると思います。
「gooラボ ネットの未来 ブロガーミーティング」ワークショップ
濱野智史さんが共著書の「平成史」で使われている「漏れ落ちた人々」がゲストでした。濱野さん含め4人のAKBおたくのみなさんの話は、楽しくもあり、情けなくもあり、秋元康のワナにハマっている人の生態が少しわかりました。
AKBおたくの話に眉をひそめながらも、「ネットの未来」や「未来の市場」を考える上では、おたくは重要だと思っています。竹中平蔵は「おたく」は「専門家」であって、日本の資源として重要と言ってました。私も、基本的に「おたく」と見られていますが、いくらか硬めというかまともな「おたく」なので、アニメおたくやアイドルおたくと一緒にされると、とても嫌な気分になります。
濱野さんが、「漏れ落ちた人々」の視点で技術をとらえるというのは、有効かどうか別として、とりあえず今までになかった視点だと思い、そこから得られるヒントもあるだろうと思いました。今回参加したブロガーの平均年齢はかなり高いと思ったので、AKBおたくの話はつらいだけでなく、ふざけるなぐらいに思っている人もいたと思います。実際に二人くらい、「漏れ落ちた人々」をどうやって更生させるかという視点で話していた方がいました。私は、少なくとも「漏れ落ちた人々」に対していい悪いという評価はしません。20代~30代の人間というのは、一番未来に関して真剣に考えている世代なので、とても敏感で、時代に対する直感を持っていると思うのです。だから「漏れ落ちた人々」やおたく連中はの行動は、未来の予測に役に立つと考えています。
今回4人のアイドルおたくを目の前で見て感じたことは、悪い人たちではないが、どうしようもない人たちでもあるなという感触。1つだけ感心したのは、自分たちの置かれている状況を楽しんで生活しているということです。それだけでも救われます。
アイドルおたくの視点で今回の展示技術の応用を考える中で、記憶に残っているのは、以下2点。
- 「3D映像音響システムによる遠隔地との空間共有」アイドルおたく向けの技術かもしれません。彼らがはまる理由の一つにライブ感があると思います。劇場で見る、握手会に参加する、これは秋元康が新たに仕掛けた仕組みですが、時代の要請を先取りしていたと思います。インターネットの時代になればなるほど、ライブが唯一お金を払う価値があるものと化していきます。この遠隔地との空間共有を使えば、ライブよりは落ちるが、臨場感と時間共有だけは可能です。実際私がこのデモを見た時に、説明をしてくれる女性が録画ではなく、ライブだと気がつき、リアルタイムで応答した時に感じた以上に、アイドルおたくは盛り上がるはずです。できれば、会場側は透明な円筒形のスクリーンで360℃見えるものが用意されれば、アイドルのライブシステムとしてはいいかもしれません。円筒形のスクリーンにはホログラムで映像が表示されれば、かなり臨場感が増すと思います。そうすれば、秋葉原だけでなく、各地と遠隔で結んでお話会くらいはできそうです。バーチャル握手会も手を合わせるくらいならできそうです。
- 「分電盤センサのみで家電機器個々の電力消費量を見える化」これは、私が興味を持ったということでワークショップで紹介したのですが、アイドルおたくの発想では、アイドルの家の電力消費量をリアルタイムで知りたいのだそうです。今どの家電を使っているかがわかるだけで萌えるのかどうかしりませんが、なんでも知りたいというニーズがあるとのことでした。
以上、イベントの報告でした。
やまざきゆにこさんのグラフィックファシリテーションに関しては、別記事で紹介します。
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