Chinachu γ(CentOS7.3)でQSVエンコード（１）

（2018年8月13日追記）
CentOS 7.4でqsvを利用しています。
CentOS 7.4「Chinachu γ + plex + qsv｣の構築ポイント

CentOS7.3でChinachu γを利用しています。

安定して録画ができますが、tsファイルは地上波で1時間7.4GB程あり、1日10時間録画すると1か月で2.2TBです。

そこで、録画後に自動的にスクリプトを走らせて、ffmpegでtsからmp4に変換します。エンコーダーはlibx264ですが、遅いです。そこそこの品質で圧縮すると、1時間の番組で1時間程かかります。

今回紹介するのは、Intel Quick Sync Video（以下QSVと略す）を使って、エンコード時間をlibx264の1/6～1/7にする方法です。

前提条件

この方法が使えるのは、2017年1月4日にリリースされたIntel® Media Server Studio 2017R2のおかげです。ただし、CPUに制限があります。

Intel Coreの第5世代と第6世代のCPU

Intel® Media Server Studio 2017R2では、第5世代(Broadwell, 5000番台)と第6世代(Skylake, 6000番台)のGPUに対応しているので、この制限は外せません。第7世代(Kabylake）のGPUへの対応は不明。

動作環境

今回測定に使用した動作環境は、以下のとおりです。

ハードウェア

ソフトウェア

エンコード速度の検証

今回エンコード速度の比較を行うために、以下のコマンドを同じtsファイルに対して実行した。

libx264

./usr/bin/ffmpeg -i "./tv/sample.ts" -vcodec libx264 -q 23 -acodec aac -threads 4 -loglevel error "./mp4/sample.mp4"

h264_qsv

./usr/bin/ffmpeg-qsv -i "./tv/sample.ts" -vcodec h264_qsv -q 23 -look_ahead 0 -acodec aac -threads 4 -loglevel error "./mp4/sample.mp4"

上記の違いは、３点です。
（１）ffmpegとffmpeg-qsv 前者は、Chinchuでデフォールトでインストールされているもの。後者は、Intel Media Server Studio 2017R2を使ってqsvエンコードができるもの。
（２）vcodecオプションが、libx264とh264_qsvの違い。
（３）look_aheadオプションが後者だけある。

これで、tsファイルをエンコードした結果は、以下の通りです。

結果は明らかです。h264_qsvをコーデックにすると、libx264と比較してエンコード速度で６～７倍になります。つまり、エンコードしたmp4ファイルのビデオ品質やファイルサイズはほとんど同じで、エンコード時間だけが1/6～1/7になります。

１時間の録画ファイル(7.4GB)は、平均して10分で1.5GBのmp4ファイル(4Mbps)になります。

エンコード速度のバラツキはそれほどありませんが、圧縮率はかなり変動し、50%近い場合も時々あります。

次回は、以下の２つについて説明します。
（１）ffmpeg-qsv（QSV対応のffmpeg）
（２）config.json(Chinachu)の中の”recordedCommand”で指定するシェルスクリプト

Chinachu γ(CentOS7.3)でQSVエンコード（２）へ続く

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