2019年の自宅録画サーバー環境
目次
(2021年9月2日追記)
簡単にインストールする方法を公開
(2021年03月08日追記)
この記事も、2021年3月8日現在、obsoleteです。以下の記事を御覧ください。
2019年は、「PX-Q3PE4+Mirakurun+EPGStation+Plex」
2018年から2019年にかけて、自宅録画サーバー環境には大きな変化があった。
以下の2点である
(1)PX-Q3PE4(PLEX社製チューナーカード)の非公式版Linuxドライバ
(2)EPGStation
上記2つによって、今までの環境が大きく改良された。
「より簡単に、より便利に」、自宅録画サーバーの環境を作ることが可能になった。
(1)PT3は発売終了、後継もない状態。PX-Q3PE4はいつでも買え、8番組同時録画で、一枚のカードで済む。非公式版Linuxドライバを、2か月ほど2台のサーバーで動かしているが、安定している。
(2)EPGStationをChinachuに代えて使う。1か月ほど使用しているが、安定している。EPGStationに代えた理由は、ルールの作成が優れているから。また、外部スクリプトを使わずに、mp4へのトランスコードが簡単に設定できる。
2019年の自宅録画サーバー構成
上記が、現在運用を行っているサーバー構成。
まだ、Intel QSVを使うことにこだわっている。その理由は、55インチのTVで観る時の画質にある。Intel QSVを使用すれば、BSデジタルの1920×1080、地上デジタルの1440×1080のビデオを6倍速程度でmp4にトランスコードが可能である。
モバイルでの視聴が中心ならば、Intel QSVがない構成でも良い。第8世代CPUを使えば、1280×720程度の映像は、libx264でかなり高速にmp4にトランスコードが可能だろう。
2018年版と2019年版の比較
ハードウェア、ソフトウェア共に、2018年版からいくつか変更している。
ハードウェア
以下が、2018年版のハードウェアの一覧と価格表である。
No. | カテゴリ | 品名 | 個数 | メーカー | 税込価格 Amazon 2019年3月22日現在 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ケース | SPEC-04 -Black&Gray- | 1 | Corsair | 16,680円 |
2 | 電源 | CX450M | 1 | Corsair | 5,035円 |
3 | マザーボード | H170M-PLUS | 1 | ASUS | 中古品(7000円相場) |
4 | CPU | i3-6100 | 1 | intel | 中古品(7000円相場) |
5 | メモリ | DDR4 PC4-19200 4GB | 2 | CFD | 9,482円 |
6 | チューナーカード | PT3 | 2 | earthsoft | 時価(22000円の相場) |
7 | SSD(240GB) | CSSD-S6T240NMG3V | 1 | CFD | 8,640円 |
8 | HDD(3TB)TS用 | ST3000DM007/A | 1 | Seagate | 7,106円 |
9 | HDD(8TB) | ST8000DM004 | 1 | Seagate | 16,110円 |
10 | カードリーダー | SCR3310/v2.0 | 1 | SCR | 1,780円 |
11 | ペリフェラル→ SATA電源 変換ケーブル | 4P-SPR/2 | 1 | 変換名人 | 388円 |
12 | SATAケーブル | OWL-CBSATA-SS20(BL) | 2 | オウルテック | 886円 |
13 | 冷却ファン (120mm) | SY1225SL12M | 1 | サイズ | 766円 |
合計金額 | 124,873円 |
次に、2019年版のハードウェアの一覧と価格表である。
No. | カテゴリ | 品名 | 個数 | メーカー | 税込価格 Amazon 2019年3月22日現在 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ケース | Versa H17 CS7096 CA-1J1-00S1NN-00 | 1 | Thermaltake | 3,139円 |
2 | 電源 | KRPW-L5-400W/80+ | 1 | 玄人志向 | 3,156円 |
3 | マザーボード | H170M-PLUS | 1 | ASUS | 中古品(7000円相場) |
4 | CPU | i3-6100 | 1 | intel | 中古品(7000円相場) |
5 | メモリ | DDR4 PC4-19200 4GB | 2 | CFD | 9,482円 |
6 | チューナーカード | PX-Q3PE4 | 1 | PLEX | 20.950円 |
7 | SSD(240GB) | CSSD-S6B240CG3VX | 1 | CFD | 3,684円 |
8 | HDD(8TB) | ST8000DM004 | 1 | Seagate | 16,110円 |
9 | カードリーダー | SCR3310/v2.0 | 1 | SCR | 1,780円 |
10 | 冷却ファン (120mm) | SY1225SL12M | 1 | サイズ | 766円 |
合計金額 | 73,067円 |
2019年版のハードウェアは、最適化を進めて、少ない部品数で構成できた。
変更点は、以下のとおりである。
- ケース
ATXからMicroATX専用の小さなケースに変更。これでも十分な機能を備えている。 - 電源
玄人志向の電源に変更。価格が安く、信頼性も劣っていない。 - チューナーカード
PX-Q3PE4の非公式ドライバが非常に安定しているので、PT3は必要なくなった。 - SSD
3D-NANDを使用したSSDは発熱も少なく、価格も急激に下がっている。 - HDD(TS用)
EPGStationの利用で、TSからmpeg4に変換後すぐにTSを削除できるようになり、TS保存の必要がなくなった。
一時的なTSの保存用には、SSDの一部を利用する。
2018年版と2019年版の価格を比較すると、以下のようになる。
2018年版 110,873円(124,873円)
2019年版 59,067円( 73,067円)
上記の()内は中古CPUとマザーボードを14,000円と想定した場合の参考価格。
これは、PT3が中古品で1枚約22,000円になっているのが原因。
PX-Q3PE4がいつでも購入可能になり、コスト問題が解消した。
ソフトウェア
種類 | 2018年版 | 2019年版 |
---|---|---|
OS | CentOS 7.4 | CentOS 7.4 |
チューナードライバ | PT3ドライバ | 非公式Linux用PLEXドライバ |
Intel QSV | Intel Media Server Studio 2018R1 | Intel Media Server Studio 2018R2 |
録画管理 | Mirakurun | Mirakurun |
予約管理 | Chinachu | EPGStation |
視聴管理 | Plex Media Server | Plex Media Server |
2019年版で変更したのは、チューナードライバ、予約管理の2つである。
この変更により、「誰でも作れる、誰でも使える」になった。
- PLEX社製チューナーカード
非公式Linuxドライバは、非常に安定している。公式Linuxドライバを使っている際、衛星放送にブロックノイズが出ることがあったが、非公式Linuxドライバでは問題は起こっていない。 - EPGStation
予約ルールが簡単に作れ、mp4へのトランスコードも簡単に設定できる。また、トランスコードしたmp4ファイルを指定したディレクトリに保存することが可能。Plex Media Serverとの連携で、コンテンツを自動的に整理して、アクセスすることができる。 - システムの維持管理
以下のサービスを利用している。
munin(ハードウェアの状態管理)
samba(Windowsマシンからのファイルアクセス)
xrdp(Windowsマシンからのリモートデスクトップ)
自宅での利用状況
自宅では、55インチのTVで利用することが多い。ベッドルームでは、Androidのタブレットを使用している。どちらもPlex Media Serverのクライアントを利用している。
主に利用しているのは、映画、ドラマ、ニュース、バラエティ。それぞれのコンテンツによって、画面の表示や使い方をカスタマイズしている。一部手動で編集することもあるが、将来的には完全自動化が可能になるだろう。
映画
映画が録画されて、mp4に変換され映画用フォルダに保存される。Plex Media Serverは、エージェントにPlex MovieやMovie Database、IMDbと連携して、自動的にポスターや出演者、スタッフの情報を提供してくれる。日本語名だとマッチする可能性が低いので、英語タイトルを調べて、手動でマッチすれば情報がリンクできる。
上記はグリッド表示というスタイルだが、リスト表示も用意されていて、IMDbの評価点や上映時間などを確認することもできる。
映画を選択すれば、詳細な情報が表示される。以下は、「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」の例。
IMDbの評価、出演者、関連映画、監督の他の作品、主演の他の作品などが表示される。
TV番組
次に、通常のTV番組の録画に関して紹介する。TV番組には、毎週放送されるドラマやバラエティ、ドキュメンタリー、週日放送されるニュースなどがある。これらを見やすく整理する機能が、Plex Media Serverにはある。
Plex Media Serverでは、TVDBと連携することで、ポスターやキャスト、シーズンやエピソードの情報を表示することができる。ただし、映画で利用するIMDbやMovie Databaseと比較すると、情報精度や網羅性に劣っているので、必要な場合は自分で入力する必要がある。TVDBを使えば、ドラマ、アニメ、バラエティ、ドキュメンタリー、ニュースなどの番組を整理することができる。
ドラマ
以下は、2019年春のドラマの設定例。
一度設定すれば、放送後に自動的に追加される。
例えば、「なつぞら」をクリックすれば、以下のように表示される。
下の方に、エピソードが表示される。エピソードをクリックすれば、再生ができる。
この情報は、TVDBの情報を元に作成される。
ここで、エピソードを追加・削除、サブタイトル・放送日の編集などができる。
アニメ
アニメもドラマと同様である。エピソード順にリストを表示できる。
バラエティ
バラエティもドキュメンタリーも基本ドラマ、アニメと同じである。
下の例は、「ブラタモリ」。
TVDBの中の「ブラタモリ」。
TVDB「ブラタモリ」のSeason 4の情報。
ニュース
ニュースもドラマなどと同じであるが、日付の表示があれば、わかりやすい場合もある。
以下は、「クローズアップ現代」の例。TVDBを編集すれば、好みのサブタイトルをつけることができる。
iPhoneでの利用状況
外出で、主に地下鉄に乗っている時はiPhoneを使用している。旅に出る場合は、画面の大きいAndroidタブレットを持つことが多いが、地下鉄ではiPhoneのサイズが一番使いやすい。
iPhoneでPlex Mediaを利用する場合は、iPhone用アプリPlex for iPhoneを利用する。
映画を観る例
ここで「リップヴァンウインクルの花嫁」を選択すると、
再生を開始すると、
非常に使いやすいアプリで、ほとんど片手で操作が可能である。
実際には、映画よりニュースやドキュメンタリーを観ることが多い。
録画された番組は、新しい順にリスト表示できるので、観たいものが非常に簡単に確認できる。
今後の予定
今回は、全体の構成について説明を行った。
本システムを構築することは、今までと比較して非常に簡単になり、CentOSに詳しくない人でもできるレベルになりつつある。
今後は、以下の項目に関して、詳細説明を行っていく予定である。
1.ハードウェアの構築ポイント
2.録画環境の構築ポイント(非公式Linuxドライバ、Mirakurun、Intel Media Server Studio 2018R2の設定)
3.予約環境の構築ポイント(EPGStation、トランスコード、ルールの設定)
4.視聴環境の構築ポイント(Plex Media Serverの設定、TVDBの利用)
5.維持環境の構築ポイント(munin、samba、xrdpの設定)
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コメント5件
小野寺さん、実際に構築する情報は、当ブログの今までの記事を参考にしていただければ、可能です。
ただし、分散しているため、一度まとめが必要だと感じてはいます。
また、ハードウェアの組み立てを簡単にする方法も検討中です。
6月中に2つの記事を掲載する予定です。
はじめまして、コメント失礼します。
私もPlexを使ってエンコード後のmp4を管理してるのですが、TV番組を放送後に自動で追加するにはどういった規則性?でリネームされていますか?
JASさん、こんばんは。
EPGStationのconfigで、以下の設定を入れてます。
“recordedFormat”: “%TITLE%_%YEAR%-%MONTH%-%DAY%”,
これで、「タイトル_2019-10-24.ts」からmp4に変換しています。こうすると、TVDBがマッチして、話数を認識します。
時々、日がずれたりすることがあります。その場合は、手動で「S01E01」(1話の場合)を日付の前に追加します。
これで、「TV番組」として、きちんと機能しています。ドラマとアニメはこれで問題ありません。
それ以外の番組は「その他のビデオ」で見た方が都合がいいことが多いです。
早速のご返信をありがとうございます。
現在、全て「S01EP01」でマッチさせており、リネームがとても面倒でした。
日付でもマッチできるとは恥ずかしながら知りませんでした。
早速使わせていただきます。
ありがとうございました!
はじめまして。
このブログを見て、録画サーバーに興味持ち、組みたいと考えているのですが、次のブログの更新はいつになるのでしょうか。楽しみに待っています。