EPGStationを使う自宅録画サーバーをMuninで温度監視(Ubuntu 22.04)
「EPGStationで録画サーバーを運用していたが、7~8月頃HDDが壊れて、録画データがパーになった。」
こういう事例を時々聞きます。
録画サーバーを自宅で運用する場合、温度管理は必須です。
温度管理について、解説します。
録画サーバーの温度管理はなぜ必要か
録画サーバーの中で温度管理が必要なパーツは、3つあります。
CPU: 適正動作温度40~70℃ 限界温度80℃以上で安全回路が働く。
SSD: 適正動作温度60℃まで 限界温度70℃以上で安全回路が働く。
HDD: 適正動作温度40℃まで 限界温度50℃以上で損傷の可能性。
この中で最も危険なパーツは、HDDです。
気温が35℃以上で、HDD温度は簡単に40℃以上になり、50℃を越える可能性もあります。
録画サーバーは24時間稼働しているため、損傷の確率は高まります。
CPUやSSDは半導体ですから、限界温度を越えた時安全回路が働き、
速度を落として稼働温度を下げることが可能です。
また、限界温度が70℃以上なので、気温の影響は受けにくい。
今後、半導体の製造プロセスの微細化により、発熱を抑えることが期待できます。
実際、2022年現在第12世代Intel Coreは、第6世代の消費電力の40%で同一性能を実現しています。
従って、以下のような温度管理が必要と考えます。
- HDD 国内年間最高気温39℃を想定して、HDD温度50℃を越えない対策と監視。
- CPU CPU温度80℃を越えない対策と監視。
- SSD SSD温度70℃を越えない対策と監視。
Muninで温度監視する
Muninは、無料でオープンソースのコンピューターシステム監視、ネットワーク監視、インフラストラクチャ監視ソフトウェアアプリケーションです。
Muninを使って、HDD、SSD、CPUの温度監視を行えます。
それでは、Muninをインストールしましょう。
ここでは、以下の手順でEPGStationをインストールしたことを前提としています。
端末を開いて、~/temp/tool/へ移動します。
euser@pc:~$ cd ~/temp/tool euser@pc:~/temp/tool$ ls -la 合計 28 drwxrwxr-x 3 euser euser 4096 5月 23 10:14 . drwxrwxr-x 4 euser euser 4096 5月 23 10:14 .. drwxrwxr-x 2 euser euser 4096 5月 23 11:35 data -rw-rw-r-- 1 euser euser 348 5月 22 17:37 p1-changeconfig.sh -rw-rw-r-- 1 euser euser 57 5月 21 17:04 p2a-editsamba.sh -rw-rw-r-- 1 euser euser 198 5月 21 17:02 p2b-installsamba.sh -rw-rw-r-- 1 euser euser 556 5月 15 18:44 p3-installmunin.sh
Muninをインストールします。
euser@motown:~/temp/tool$ bash p3-installmunin.sh
完了したら、5分程度待ちます。
5分おきに監視を行いデータを収集するため、
最初の情報が収集完了するまで待ちます。
ブラウザを開き、「http://localhost/munin/」にアクセスします。
左側のメニューの一番下から2番目「sensors」をクリックします。
最初はグラフで確認できないので、グラフの下の数字を確認します。
「x86_pkg_temp」でCPU温度、
「sda」「sdb」でSSD温度、HDD温度
を確認できます。
左から、「現在値」「最小値」「平均値」「最大値」が表示されます。
録画サーバーの温度管理と対策
実際の録画サーバーでの温度監視と対策例を示します。
温度監視の基準は以下のようになります。
最大CPU温度<80℃
最大SSD温度<70℃
最大HDD温度+(年間最高気温ー計測時最高気温)<50℃
上記の表示例から最大値を確認します。
最大CPU温度 77.95℃
最大SSD温度 35.96℃
最大HDD温度 38℃
この結果から、SSDとCPUは問題ないと判断します。
HDD温度に関しては、この計測した2日間の最高気温を調べます。
例1 計測時最高気温が30℃の場合
年間最高気温ー計測時最高気温=9℃
予想最大HDD温度=38+9=47℃(<50℃)
例2 計測時最高気温が25℃の場合
年間最高気温ー計測時最高気温=14℃
予想最大HDD温度=38+14=52℃(>50℃)
計測時最高気温が30℃の場合は問題なし。
計測時最高気温が25℃の場合は、HDDの冷却を強化する必要。
PCケースの冷却
ミドルタワーケースを例に、冷却について説明します。
ミドルタワーケースでは、以下の冷却ファンを一般的に装着できます。
前面 吸気方向冷却ファン 2つ
上面 排気方向冷却ファン 2つ
背面 排気方向冷却ファン 1つ
HDDやSSDを冷却する場合は、前面の吸気方向冷却ファンを使います。
冷却したいHDDやSSDに風が当たる位置にファンを装着します。
CPUを冷却する場合は、上面、背面の排気方向冷却ファンを使います。
計測事例
CPU温度の計測例
HDD温度、SSD温度の計測例
CPU稼働情報の例
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