ブルームズベリー社のゲーム研究叢書
イギリスのブルームズベリー社は、「ハリー・ポッター」シリーズで有名な出版社のようです。そのブルームズベリー社は、Bloomsbury Academic Game Studiesという叢書があります。
その叢書の中から、DU BOOKS(ディスクユニオンの出版部門)が以下の2冊を2025年に翻訳出版しました。
「ゲームデザイナー小島信夫論」
「ゲームクリエイター宮本茂」
「ゲームデザイナー小島信夫論」

小島信夫が作っているメタルギアを知ったのは、2016年2月頃でした。「メタルギアV ファントムペイン」が初めてのメタルギアシリーズでした。その完成度の高さに度肝を抜かれました。一番感心したのは、ステルスというジャンルを発明したことでした。怪物を倒すのはそれほど容赦なくできますが、戦争ものは嫌いだったのです。
この「小島信夫論」は、とても面白い本でした。小島信夫というゲームクリエーターが作り出すゲームを、作者が如何に愛しているかが伝わってきます。また、そのゲームの細部へのこだわりと緻密な論理展開は、ゲーム論というものが成立することを証明してくれました。
小島信夫ファンだけでなく、ゲーム愛好者すべての方におすすめしたい本です。
「ゲームクリエイター宮本茂」

宮本茂の生い立ちから様々な作品の紹介まで、丹念に追った労作ですが、2つ残念なところがあります。
- 2015年出版のため、Nintendo Switchは触れていません。
- 大学教授が書いた本のせいか、論文のように客観的な事実を述べているだけで、小島信夫論のような作者の熱気が感じられません。
資料として、とても役に立ちますが、読み物としては面白みに欠けます。
本当に面白い、「宮本茂論」を読んでみたい。
一番印象に残ったのは、横井軍平の「枯れた技術の水平思考」です。
Nintendo Switchでも、それは守られていると思います。
その逆を行ったのが、PS5でしょう。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。